最近、高級腕時計の世界で、二次市場の存在感が高まりつつあります。高級腕時計ブランドによる自社製品のリユースや、買い取りして再販をするというビジネスモデルが、成功を収めはじめているのです。円安による時計価格の高騰という時代背景も関わってきますが、機械式の高級腕時計は、長きにわたって使えるため、昔から二次市場は確立されていました。
今回は、拡大する高級時計の二次市場や時計ブランドの二極化についてご紹介します。
拡大する高級時計の二次市場
高級腕時計の二次市場は、近年、力強い成長を遂げています。優れた性能のヴィンテージウォッチ、専門的なテーラー、熱心な時計ファンが多く存在しているのが、発展の要因だと考えられます。また、元々海外では、古いものでも良いものを大切に受け継ぐことが常識となっています。建物や宝飾品など、人気の高い中古品が多いのです。
最近では、日本でも中古品に価値を見出す方が増加しつつあります。これは、新型コロナ禍での収入変化や、円安による時計価格の高騰が関係していると推測されます。
時計界で注目される「認定中古品」
時計界で注目されているのが、正規の認定中古品です。高級腕時計ブランドが乗り出している認定中古時計のサービスとは、下取りで購入した中古時計の販売、オーナーに代わって委託販売などが挙げられます。この際、フルメンテナンスを施し、保証書も付けてくれるのが、消費者にとって安全で嬉しいポイントとなります。二次市場であれば、生産が終了したモデルが手に入ることもメリットです。今後は、このような正規認定中古を始める高級腕時計ブランドは増えていくと考えられます。
コロナ禍で高級腕時計の二極化が促進
コロナの影響によって、消費行動に変化が生じ、生活基盤を見直す方が増えたことによって、資産運用や投資対象として高級腕時計に注目が集まっています。人気が高いブランドでは、新品でも中古でも、売り上げの上昇が目覚ましく、コロナによって数字が減った現象は見られないどころか、むしろその逆を示しています。最近では、オンラインでの取り引きも増えています。
そして、高級腕時計ブランドの二極化が促進されました。コロナ禍により、大手の人気ブランドは安泰ですが、それ以外の中堅ブランドにとっては厳しい状況となっています。希少価値が高いブランドは、一次市場・二次市場のどちらにおいても有利な立場にあります。
精巧な技認定中古ブランドのおすすめ時計
コロナ禍において、いくつかの高級腕時計ブランドは中古市場の発展を加速させると同時に、認定中古品の正当性を高めることに成功しました。中古品を販売することに対する抵抗感が薄れ、二次市場において信頼できる取り引きが増えていくと新品市場にとっても良い影響が期待できます。ここからは、認定中古品に力を入れている、おすすめの高級腕時計ブランドをご紹介します。
中古市場を支え続けてきた「リシャールミル」
引用:リシャールミル公式サイト
https://www.richardmille.com/ja/collections/rm-055-bubba-watson
リシャールミルは、正規の認定中古販売ネットワークを展開しています。公認パートナーのもとであれば、リシャールミルの高級腕時計を、中古であっても安心して購入することができます。
リシャールミルは、2001年ごろから、すでに二次市場が成長することを見据えており、アフターサービス部門を通じて、中古市場を支え続けてきました。この動きは、ハイブランドと消費者の絆ともいえる、重要な信頼関係を築くきっかけとなりました。
すべての消費者が安心して商品を購入できることが最も優先すべき事項であるとリシャールミルは考えているため、中古販売店舗で販売される腕時計は全部リシャールミル自社内の職人によって点検や修理を経ています。リシャールミル専門のベテラン時計師が厳格な管理を行っているので、内部のみならず、外観においても最高レベルの腕時計だけが揃っています。また、肌に直接触れるストラップに関しては、純正の新しいストラップに交換されます。
購入したリシャールミルの認定中古時計にはブランド発行の認定書が添付されています。正規認定書と一緒に専用ボックスや取扱説明書なども付いてきます。万が一時計にトラブルが発生した場合でも、迅速に対応できる体制が整っているので、安心して相談することができます。
そんなリシャールミルの中でも特に人気が高いおすすめモデルといえば、「RM055 バッバ・ワトソン」です。ゴルフ界で圧倒的な飛距離を誇るバッバ・ワトソン氏が、2012年マスターズで初優勝をした際に着用していた「RM038」のデザインを受け継ぐ手巻きモデルがこのRM055です。ベゼルには新素材である「ATZ」が採用されており、傷や汚れに対して強くなっています。ミドルとバックのチタンケースにおいては、ホワイトラバー加工が施されており、快適な装着感を味わうことができます。
トレードシステムが活発な「ブライトリング」
引用:ブライトリング公式サイト
https://www.breitling.com/jp-ja/watches/navitimer/b01-chronograph-46/AB0137211B1/?watch=AB0137211B1A1&_gl=1*107h6c1*_up*MQ..&gclid=Cj0KCQjw2MWVBhCQARIsAIjbwoPJ9Uhs-T-iwSST0DWV5BR1wWy575iU9LeI13_JvAOYI0bjjr2mibUaAvU5EALw_wcB&gclsrc=aw.ds
スポーツウオッチが人気のブランド、ブライトリングでも正規販売店での二次市場が展開されています。カスタマーサービスである「クラブ・ブライトリング」の会員を対象として、購入した時計を査定後に下取りをして、新たなブライトリングの腕時計購入を促す「トレード・イン・システム」が、2009年前後に始まっています。この下取りに関しては、買い取りのみは不可となります。販売されている腕時計は、ブランド正規のメンテナンスを受けており、1年間の品質保証付きとなります。
ブライトリングで特に人気のモデルが、腕に着用可能な航空計器として多くのファンに愛されているナビタイマーです。ブライトリングの不朽の名作と言っても過言ではなく、高い売上を誇っています。ナビタイマーは、世界で初めて航空計算尺付きのクロノグラフとして、1952年に誕生したパイロット用腕時計が初代モデルとなっています。航空用計算尺とは、パイロットが飛行中に速度や距離、時間、燃料などを計算するための機器です。
このシリーズは、高精度キャリバーやクロノメーター、フライトコンピューターといった高度な機能を多く搭載していることが大きな特徴です。パイロット用腕時計に憧れやこだわりがある方にはおすすめのシリーズです。
完璧なアンティークウオッチを展開する「ヴァシュロン コンスタンタン」
引用:ヴァシュロンコンスタンタン公式サイト
https://www.vacheron-constantin.com/jp/ja/collections/overseas/4500v-110a-b126.html
高級時計メーカーの中でも、最古の歴史を持つことで有名なヴァシュロン・コンスタンタン。歴史が長いだけではなく、永久カレンダーやトゥールビヨンなどの複雑機構を搭載していることで、技術力も高く評価されています。
最近では、オークションなどで買い取った自社ブランドのアンティークウオッチを完璧に修理して、二次市場に展開をしています。ヴァシュロン コンスタンタンのような人気の高級腕時計であれば、時を経ても機能を保っているにも関わらず新品よりも安価で購入できることが消費者にとって大きなメリットです。
ヴァシュロン・コンスタンタンの代表的なシリーズといえばオーヴァーシーズです。1996年に誕生した、スポーツモデルの時計であり、原型であるRef.222の機能や外観を引き継いで登場しました。Ref.222は、ブランド創立222周年の記念として限定222本でリリースされたモデルです。その後継者であるオーヴァーシーズは、高い防水性を誇ると共に、洗練された薄いケースが採用され、ブランドの主役として不動の地位を築いています。
まとめ
今回は、高級腕時計の中古市場や認定中古品についてご紹介しました。中古市場は年々拡大しています。中古品の売買がより身近になり、選択肢が拡がることは消費者にとってメリットしかありません。高級ブランドの複雑機構を持ったモデルはクオリティが高いため、中古品であっても長く使えることが期待できます。ぜひお気に入りの認定中古品を見つけてください。
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